「本当の幸福ってどういうコトか知ってもらいたいです。世の中の見え方、特に社会に出た時を想定して、学生の立場だからこそ見えるコトをマイプロを通じて感じてほしい」
マイプロジェクト(以下、マイプロ)、その業界の人たちだったら知っているかもしれないけど、ほとんどの人は聞いたコトはないだろう。私自身も、宮崎さんと出会うまではまったく知らなかった。だが、「宮崎芳史 マイプロ」と検索すると…まぁ〜いろいろなイベントが検索結果に出てくるし、さまざまな記事がずらっと並ぶ。各種サイトを見ていると、苦労であったり思いであったり、行動の原動力となっている志が伝わってくる。教員とマイプロの活動、二枚看板で動いているからこそ、いい意味で日々充実しているコトだろう!そんな宮崎さん自身のインタビューは数多くあるから、ココでは宮崎さん自身についての今昔物語は触れないから、気になる人は検索をして読んでいただきたい。
Webサイトだけでなく、動画もあったりして、じっくりと読み込める!検索結果に驚きます。ふむふむ、前職は旅行会社勤務だったのか。なるほど!そんな思いがあって立ち上げたのか!と感じるはずだ。
「うれしいコトに出演させていただく機会が多くなりました。少しでも多くの人たちに子供たちの考え方とか取り組みを知ってもらいたいですし、たくさん応援いただきたいです!」
思い出せば…マイプロって何だ?と思って、とある夜に宮崎さんにメッセージを送ったらすぐ返事が来た。
「ちょっと説明させてください!マイプロの資料を持って行きます!」。この行動力、ステキですよね〜。動きながら考えていくって感じでしょうか。とはいえ、学校のコトも、それはそれはたくさんやるコトがある中での活動ですから、さぞかし…と思いきや!「楽しいです!」と笑顔の宮崎さんである。
アントレプレナー・シップを持って時代を駆け抜ける大切さ
で、マイプロってなんだ?ってコトになりますが、概要が書かれた資料を見るとキーワードとして〝アントレプレナー〟がある。アントレプレナーってコトバの意味はこういうコト。
起業の担い手を起業家(アントレプレナー)と呼ぶ。
ついでに、「起業」と「創業」についてはこういう違いがある。
起業
新しく事業を始めるコト。未来へ向けた表現で、
今までになかった事業や新しい事業を起こす場合に表現する。
ベンチャーやスタートアップにおいて用いられているケースが多い。
創業
事業を始めるコトで、過去を示す場合が多い。
例えば、創業○年と表現するコトはあっても、起業△年という表現はちょっと変。
起業と比較すると新規性は弱く、世にすでにある事業を、
今まで取り組んでいなかった事業体や組織が始める、という感じ。
という知識を頭に置きながらマイプロの資料を読み解いていくと…中学から大学生活の約10年間に寄り添っていくプロジェクトで、そのほとんどが社会とのつながりをベースとしている。大人の視点からすると子供の頃から実社会と触れ合い、感じる10年間という解釈だろうか。
「教員をしているので子供たちを取り巻く環境はよく理解しています。中学、高校、大学と、それぞれの教育方針、部活動、先生たちとの関係、友達とのコミュニティーなど、複雑化していますよね。これは大人の目線からすると『昔はさぁ』なんて台詞がよく出ますが、ほんと、イマドキの子供たちの環境って……なんです。いろいろな縛り、プレッシャー、トラブルなど…。社会に出ると楽しいコトも大変なコトもたくさんあるじゃないですか。この10年間で育まれるコトって将来的にすごく大切すし、後戻りできない貴重な時間です。皆さん『戻りたいな〜』って思ったコト、ありますよね?」
はい、戻りたいです(泣)。反省ばかりでして…後悔しているコトもありますけど…若かったから…ああ!なんてこった!ちゃんと勉強していれば良かった!と、筆者の心の声である。
「子供たちの力ってほんと強い。思いを形にする、表現する、伝えていく、それらの基礎力が力強い。マイプロはそういう思いをちゃんと自分の経験として積み重ねて、心が豊かになって、自己肯定感が増していく、そういうサポートをしてくプログラムでもあるんですよ」
マイプロが今まで取り組んできたプロジェクトとして、ソーシャル、パブリック、アート、リーガルなど各分野のアントレプレナーの型がある。つまり、子供たちの視点での切り口、といった方が伝わるだろうか。多感な子供時代だからこそ、情報過多な時代だからこそ、思うコトはいろいろあるワケで。そういった思いを言語化して、主体的に行動をして、世の中にムーブメントと起こしていく。これこそがマイプロの実態だろうか。(ようやく到達した感がありまして恐縮です)
「もちろん、子供たちを支える体制も整えています。さまざまな職種の社会人アドバイザー、大学生のファシリテーター、パートナー企業、運営・管理、など、コミュニティーは広範囲に及びます。もちろん、学校や教員、地域コーディネーターとも接続し、どんどん輪を広げています」
子供たちにとって大人たち、専門家たちの支えは大きな力になる。つくづく思うけど、若いって最高!
子供たちが輝くほど、課題が解決して笑顔が広がっていく
高校生たちの実例は数々ある。そのほとんどはマイプロのホームページ内に紹介されていて、輝かしい実績も収録されている。
「高校生たちは自分に費やせる時間がとっても少ないんです。学校、塾、スポーツ、宿題・課題、受験、友達との関係、家のこと…など!時間はたくさんあると思われがちですが、スケジュールがキツキツ。そんな中でのマイプロの活動ですから、ほんと!優秀ですよね(笑)」
プロジェクトを見ると、先述の通りジャンルはさまざま。だが、共通しているのは『誰かのために』『困っている人がいるから』という意識があるコトだ。この、誰かのためにという側面が大切で、かつ、主体的に動いて、いろいろな人間関係を築いて、それぞれと調整しながら実現していく。これって、すごく大変なマネジメントでもあるけれど、若きアントレプレナーはどんな思いで駆け抜けているのだろうか。
「楽しそうな、いい顔しているんですよ。素晴らしいですよね。課題解決型って難しい表情になりがちじゃないですか。そんな中、すごく輝いている。私もいい刺激を受けています」
今までの取り組みなど、ぜひホームページなどで見てもらいたい。生き生きとした姿を目にして感激するはずだ!
今を生きる子どもたちの「想いのタネ」が立派に育っていく
半年ぶりに会った宮崎さんは輝いていた。卒業式で生徒を見送った直後、というコトもあるが、気持ちはすでに新年度へ向かっていた。
「ようやく自分が企画を担当するコトができるんです。主体的にプロジェクトを動かせるって重要で、教員としてのモチベーションも高まります。マイプロについて、今まで課外活動的な見られ方をしていましたが、マイプロに関わった子どもたちが慶應義塾大学とか横浜国立大学に受かったりして。すごいですよね!もう追い風しかないです!」
新一年生にもすでにアピールしていて、マイプロの活動は入学式後、すぐ開始されるというが…自主的に活動を始めている生徒もいるという。
「自主的に動き始めているようなんです。頑張りますよね。マイプロはいかに主体的に動いていくかが大切ですから、どんどん突き進んでほしいです」
2024年のマイプロの活動を聞いていくと、こんなキーワードが出てきた。
・ビジョン
・自分の想い
・ビジョン実現のための課題、問い、仮説、アイデア
・仮説に基づいた調査、対話、行動、実践、結果
・検証、考察
・実現可能性、成果・効果、課題点、改善方法、創造性・発想、前提、当事者性
・振り返り
・自分と社会に関する得られた学び・気付き・感情
・新たな問い
ビジネスマンなら馴染みあるコトバだけど、これを高校生が!なんて感じたりする。だが、今を生きる高校生にはこれくらいがちょうどいいようだ。
「感動するんですよ、本当に!」
宮崎さんが高校生、大学生だった頃は、偏差値教育真っ只中。
バブルが崩壊して就職氷河期なんて言われていた。
そんな時代に生き抜いてきたからこそ、
今に生きる子供たちに主体性の大切さと、
探究心を持ち続けるコトを伝えたいという。
「人生、楽しまなくっちゃ!」
若いって最高だ!
宮崎芳史さん
旅行会社で営業職を経験。2014年新潟県内の高校教員へ転職。キャリア教育に力を注ぎつつ、佐渡中等教育学校在籍時に新潟県初となる全国高校生マイプロジェクトアワード全国Summitに出場。NIIGATAマイプロジェクト★LABO 実行委員長として大忙しの毎日を過ごしている。
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