体のバランス、不調、原因不明の痛みや辛さ。そんな苦痛を改善する施術はいろいろとある。よく知られているのが、整体、揉みほぐし、カイロプラクティック、鍼灸、マッサージ、リラクゼーションといったところか。問診・触診から原因を掴み、時にはボキって感じで歪みを調整したり、心地よいアロマの香りに包まれながら踏んづけられたり(笑)、足裏なんて激痛!だったり。筆者は一連の施術を取材した経験があるため、何がどう改善されて…という特徴は把握しているつもり。医学的に、という側面においては病院に通いながら国家資格取得者が施す専門性の高いリハビリだろう。これは個人的な体験からの感想だけど、人によってその施術が合う合わない、はあると思っている。技術的な相性なのか…人なのか…なんだか分からないけど…合わないものは合わない!合うものは合う!のである(当たり前か)
「私の得意分野は脳卒中を患った方の施術で、高次脳機能障害リハビリが専門です。半身不随であったり、ある部分に障害があったり。退院後の患者さんを着実に改善へ導けるように日々精進しています!」
ここ新潟において、脳卒中専門のリハビリを提供しているところは数少なく、また、珍しいために認知度も低かったりする。病院に行かないと受けられないんだろうな、と思っている人も少なくないはず。そんな状況を見て大和さんは一念発起。脳卒中に特化したリハビリを出張型というスタイルで創業した。
「脳卒中を治療して、院内でリハビリをしながら、いずれは退院します。退院後は病院のリハビリセンターに通う選択肢もあると思います。ですが、通院ってなかなか大変なんですよ。専門のリハビリを受けたいってなると家から遠かったりしますし。体が不自由でありながら移動とか、時にはどこかに立ち寄ったりとなると苦労するっていう話をよく聞きます。自宅にいながらにして高度な治療を受けられる。そして、着実に機能改善していき、1人で歩けるようになる。そんなニーズを肌で感じていて、いつか独立!と夢描いていて、今回の創業に至りました!」
リハビリの違いは何なのか、大和さんの話からは未体験な世界なので想像しにくい部分もある。
「そこなんです。施術を可視化して、患者さんが伝えてもらいたいように伝える方法を考えて、改善されるためにいいんですよ!と訴求する。患者さんの症状を絞り込むほど、一般的にはターゲットに届きやすいと思われそうですが、ピンポイントだからこそいかに信頼してもらうかが悩みどころです」
当事者ではないと分からない、というコトだろうか。
保険適応外のリハビリ、というハードルを超えていく
「人なんだと思います。人間力。いかに私、大和隆紀を信頼してもらえるか、です」
創業前、大和さんは自信に満ちあふれていた。一方で、奥様からはその自信はどこから来るのか!と不思議な目線で見ていたかもしれない。
「ええ、そうなんですよ。独立へ向けて準備をして、お客さんの見込みもない状態なのに、自信たっぷりで。何を根拠にそこまで言えるのか、不安で不安で。子供の受験も控えていますし、家族のその先もありますし。と言いつつも、私もいつか主人と一緒に…はかなり先というか…今のところないかもしれませんね(泣)」(奥様)
脳卒中の患者さんは、入院中は保険適応内で治療やリハビリを受ける。退院後も、もちろん病院へ通い〝保険適応内〟でリハビリを受ける、というのが一般的な流れだろう。この今の日本において、保険適応内か、適応外か、によって患者さんをはじめ、家族にかかる費用負担が大きく変わるのは事実。大和さんにとって大きな壁になる、というコトも自覚している。
「独立前は保険適応の施設で働いていましたから、独立して本当に患者さんに選んでいただけるのだろうか…と不安でした。とはいっても独立は決めていましたし、困った患者さんの手助けをしたい、という気持ちが日に日に増していきました」
保険適応内か、適応外か、という金銭的負担は集客において大きく左右する。とはいうものの、体の不自由は患者さんにとって辛い。お金関係なく、誰もが健康な体でいたいし、普通に歩けて、普通に食べれて、穏やかな暮らしを送りたいと思っている。そんな患者さんたちと毎日向き合ってきたからこそ、新しい選択肢として自身のメソッドを提供したいし、多くの患者さんの役に立ちたい。いつやるのか、夢のままで終わるのか、いや、今だ!
「頑張ります!」
人との繋がりから信頼してもらえる存在になるために
「えぇ、変わらず自信しかないんですが(笑)営業するコトや売り込むコトが初めてなので、正直なところ分からないコトもあると思います。自分なりにベストを尽くしつつも、何をどう動けば良いのか、営業活動をしながら習得していく感じです」
先述の通り、メソッドが見える化しにくいため営業活動も前途多難。施術を受けて改善された事例を掲示すれば理解度は深まり、営業活動にも役立つはずではあるが、症状が限定的というか間口が狭いため、お客様のルートにも限られていて、業界構造的な理解とアプローチの仕方を慎重にしなければならない。
「会社に属している間は営業活動が難しいため、患者さんにアピールするコトが難しくて。そのため、独立してからの売上高の見込みが立たないから不安になります。だってお客様=患者さんのアテがないワケですから(泣)」
「どうするんだろう、って横で見ていました」(奥様)
営業活動をするにあたり、基本的な営業ツールを整えた。名刺、チラシ、ホームページなど、自分の力でいろいろな道具を作った。これがまた難しく、うまく表現できない。自分の足りないところが見えてきた。だが、ココで足を止めるわけにはいかない!前に突き進むにしても…デザインが…で、手が止まってしまった。
「私的にはいい感じと思っていても、第三者から見ていただくと…ん?な〜んか、おかしい!んです。私は素人ですから…。プロに頼んだ方がいいですよね(泣)」
日々精進、日々努力、日々研鑽。何回もやり直し、見てもらい、ようやく配布できる最低限のレベルになった。もちろん、ツッコミどころはあるが、歩き出さなくてはいけないのでひとまずGOだ。
「手ぶらで営業していた時と明らかに反応が違います。チラシとかツールをお見せする、お渡しするってこんなに喜んでくれるんだ!って。覚えていただくためにもっともっと頑張ります」
高次脳機能障害を改善へ導くメソッドをコトバで伝えます!
で、具体的にどんなメソッドなのか。コトバで伝えるには相当ハードルが高くなるけれど、できる限り大和さんのテクニックをコトバにしてお送りいたします。
手はがっしりとしています(笑)
この角度が重要なんです。こうです、こう!伝わりますか?伝わってないって!この角度です!
足回りは両手でしっかりとホールディングをして、このように持ちます。
そして、上下、左右の運動を促して機能改善を目指します。どうでしょうか。まったく伝わっていない!のではないかと心配ですが、体感ください。
奥様が心配する眼差しを感じながら
自分を奮い立たせ、前を向いて歩き続ける大和さん
「楽しんでいきましょう!」
患者さんへの思い、家族への愛がシンクロしているからこそ
その自信につながっていると感じてきた
「ですからね、その自信ってどこからくるの?って」(奥様)
だから伝えるコトって面白い。
大和隆紀さん
群馬県出身。新潟医療福祉大学を卒業後、群馬県内の総合病院やリハビリ病院に勤務。その後、新潟市内や五泉市の医療機関にてリハビリに従事。脳卒中専門のリハビリを得意としながら、広範囲リハビリまで対応している。
取得資格
理学療法士、脳卒中認定理学療法士、フレイル対策マネージャー、3学会合同呼吸療法認定士ほか
LIFE CREATE
https://www.lifecreate-niigata.com
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