上から読んでも、下から読んでも「こやま まやこ」さんである。お名前を漢字で見ると気が付かないと思うが、声に出して読むと…ん?と感じ、書いてみると…まさに!この見つけた喜びは幼少期によくある〝小さな大発見〟に通じるモノがある。誰かに伝えたくなるのは私だけではないだろう。

「気付かれてしまいましたね!」

小山さんは東京と新潟の2拠点で活動しているピラティストレーナー。元々、スポートクラブで働いていて、リフレクソロジーやボディケアの領域まで担当。その後、ピラティスと出会い、『PHI Pilates(ピーエイチアイ ピラティス)』インストラクターとして活動を始めた。

「ピラティスは体系化されているところもありますが、知るほどに奥が深く、それでいて派生していくコトもあり、メソッドが柔軟に変化しています」

小山さんのInstagramを見ていると結構な機械を導入しているコトが分かった。どちらかというとピラティス=マット運動をイメージしていたが、小山さんのメソッドはマシンピラティスだ。

「ヨガがトレンドだったタイミングでピラティスも話題になりませんでした?ポージングなどの運動をするヨガに対して、その流れと歩調を合わせるようにマットの上で運動をするピラティスがあって、興味のない人からするとマットの上で同じような動きに見えますから、どっちがどっちなの?って。そのような声、よく届いていました」

そ、う、な、ん、です!筆者は…恥ずかしながら…ヨガとピラティスが混同していて…違いを知っているようで知らなかった、というコトをこの場でご報告いたします。

「違いを知る意味でも、体験いただいた方がいいかもしれませんね!」

 

こんな動きを習慣化すると〝いいコト〟の連鎖がつながっていく

変わらずヨガとの違いをつかみきれていない筆者。デスクワークが多い(筆者含め)、座っている時間がない人たちへ向け、家でも真似できそうなピラティスの動きを教えてもらいました。

 

>①リフォーマー〈フロッグ〉

「骨盤のぐらつきや体幹部を安定させて、股関節から曲げたり伸ばしてください。伸ばす時はブランコに立ち乗りする感覚で、しっかり立ちましょう」

効果・目的
日常での立ったり座ったりの動きに対し、体幹部を安定させて、硬くなりがちな股関節中心に下半身の関節を正しくバランス良く使えるようにするためのエクササイズです。内腿と外腿の筋バランスを整えてO脚X脚の改善や膝腰等の痛み改善にもつながります。

>②トラピーズテーブル〈プッシュスルー/ソウ〉

「背骨1つひとつを順に動かすイメージで、肋骨のすき間を広げていきましょう。広がる肋骨のすき間に空気を入れるように息を吸っていくと、さらに隅々まで伸びるのが感じられますよ」

効果・目的
自身の腹筋を働かせて背骨や肋骨を動かし、筋力とともに柔軟性を高めます。背骨や肋骨を自由に動かせる力は、女性も男性も関係なく痛みや老化の防止に役立ちますし、呼吸や眠りにまで影響します。現代人だからこそ難しくなっているとも言えます。

>③コアアライン〈ウォーリア〉

「このマシンを導入しているのは、新潟ではうちのスタジオだけで、全国的にもまだ少ないです。立位でのトレーニングが豊富にできます。マットの上で行うマットピラティスで、例えば仰向けで腹筋を鍛えるエクササイズやうつ伏せで背中やお尻を鍛えるエクササイズをしたとしても、強さとはまた別の能力、座ったり立ったりでその腹筋背筋が使えなくてはなりませんし、また、手脚の動作との繋がりも必要です」

効果・目的
ピラティスをやった後はすごく身体が変わった気がするけどすぐに元に戻ってしまうという方は、いろいろな体勢で習得した運動パターンを立位での動作に落とし込むエクササイズをプラスすることで、効果を持続しやすくなります。

 

しっかりとした戦略があるから、次なるステージで羽ばたいていける

小山さんのスタジオがオープンしたのは2025年9月。以前は雇われ店長として現場をひとりで担っていた。現場をまわしながら2、3年かけて少しずつ経営のことを学んでいく計画でのスタートだったが、1年で順調にお客様も増え、スタッフを入れる段階になってプランの変更が生じた。

「とある方から「乗り越えられるから起きている」と言われてとても励みになりましたし、これまでの人生で振り返ってみると、その時は『大変だ!』って思ったコトも、全部私にとって必要なコトが、それも絶妙に一番良いタイミングで起きているんだな~って思えます。もちろん、そう思えるようになったのはここ数年ですが、『自分のスタジオが持てたらいいな』って、東京に出始めた頃からぼんやり思ってたコトが、歩みは遅いかもしれないけど今、現実になっていて。というのも、プランの変更が起きなければ今こうして“雇われ“から抜け出て自分が全責任を負い、スタジオ経営をする覚悟がなかなか出来なかったかもしれません」

「まさにピンチはチャンスでした。協力してくれる人たちがいて、ついて来てくれるお客様がいた。一緒に働きたいと言ってくれたスタッフも大切で守らなきゃいけない存在。ピラティスは特別なモノではなく、映えるためだけのモノでもなく、何歳になっても自分の身体で快適に過ごせたり、好きなコトが出来る身体でいるための運動習慣、日々のルーティンになり得るモノです。毎日歯磨きをするコトと同じ。日々たくさんのお客様と笑いあえる時間が楽しくて、『来年までにこうなりたい』とか『5年後もピラティスを続けていたい』っていうような、お客様が今のことだけでなく未来のコトまで話してくださるのが本当にありがたく、うれしいんです。10年前にアメリカで見たピラティススタジオが目標。そうなれたら幸せだなぁと思います」

小山さんが作った事業計画書を見ていると、きちんと考えられているコトが伝わってくる。事業そのものの説明、セールスポイント、競合との差別化、顧客の特徴、情報戦略など、びっしりと書かれていて、使われているコトバも丁寧に選ばれている。第三者が見ても事業内容を思い浮かべるコトができ、どういう戦略なのかも理解できる。

「改めて自分自身の事業を考えるなんて、そう機会がないです。今回の見つめ直す時間は自分の内側と向き合いながら、本当は何がしたいんだろうか、私ってどういう人だろうか、お客様はどう見ているんだろうかって、自分を追い込みながら考え抜きました。ゆっくりとしたペースですけど1つひとつ積み重ねて、漠然とした表現も具体的に、根拠ある説明をするように心掛けています」

事業計画書は段々と仕上がっていき、将来の自分のお店についてちゃんと話せる状態になってきた。悩んでいる、考えているコトは周りの人たちが助言をしてくれたり、励みのコトバをかけてもらったり、ピラティスを通じたコミュニケーションは心の支えになっている。

「しっかり学びたい気持ちがあるから今があるんです!」

そうそう、その調子!で、小山さん、お店を一言で表現すると?

「宿題多すぎです(笑)」

 

ワンセッションで変化を感じるメソッドは

小山さんの人間力があるからこそ

「立ち位置とか姿勢とか、角度をちょっと意識するんです」

分かってはいるんですけど…体がうまく…曲がらなくて

この猫背…なんとかなりませんか…

「まったく気がつきませんでしたけど、〝いがいや、いがい〟ですね(笑)」

 

こんなところにも回文、いただきました!

小山真矢子さん

新潟市出身。スポーツクラブやリラクゼーション業界で働いた後、15年ほど前にピラティスに出会う。PHIピラティスの資格を習得し、米ピッツバーグにて創始者Christine Romani-Ruby氏に直接師事。2015年からはマスタートレーナーとしてインストラクター養成講師としての活動も始める。新潟と東京の二拠点活動を続けながら、「新潟にもアメリカで学んだ、“ピラティススタジオに行くことが生活習慣の一つ”となれるスタジオを創りたい」と、2025年9月、自身のスタジオ「pilates et Rishell」をオープン。
Rishell(リシェル)とは、パートナーで愛犬の名前。お客様にとって、かけがえのないパートナーとなれるスタジオにとの願いが込められている。

<資格>
・PHI Pilatesマスタートレーナー
・JGFOゴルフフィットネストレーナー
・YOGA MOVE® Basic Elementsインストラクター
・栄養コンシェルジュ®二ッ星

pilates et Rishell 〜ピラティス・ェ・リシェル
新潟市中央区弁天1-1-16 サンテラス石宮3F
9時~20時、定休日なし、駐車場なし
Instagram

 

>関連記事

ベテランのひとコトQ&A

私のコトバ

promocarrie