
街を象徴するオアシス(ココではお茶するところ、ご飯を食べるところを表現しています)はいろいろある。神保町といえば純喫茶、駒沢といえばサブカルな人たちが集うカフェ、秋葉原だったらマンガ系、環八であればラーメン…って、全部東京でした(失礼)。新潟ではどうだろうか。ロードサイドに立ち並ぶお店は、大型駐車場にスーパーと家電量販店、ドラッグストアにラーメン屋さん、というスポットが点々とあり、車を走らせていると「あれ、ここも?」って感じの景色が広がる。一方、街の中心地となると、暮らし方に寄り添うようなお店が多くなり、ビジネスマンがちょっと一服のスポット、なんて感じだろうか。とはいっても、時代によってオアシスの役割は変わる。
加藤さんは街で生きる。人や車が行き交う街中に佇む、雑踏の中にある心地いい場所。馴染みの人たちだけでなく、初めてこの地を訪れた人も日々のルーティンで立ち寄る人もふらっと立ち寄っていく、そんなカフェを目指す。
「オーストラリアで経験したスタイルのカフェを新潟でもしたいなって」
シドニーにある『Something for Jess café』 https://www.somethingforjess.com.au/ に加藤さんはいた。皿洗いから調理師、料理長そしてマネジャーへステップアップし、メニュー開発から採用活動まで、カフェ経営のすべてを学んだ。オーストラリアらしくスタッフは多国籍。文化、価値観、趣味趣向、考え方が異なる人をマネージするコトって…大変そうだけど、むしろ楽しいだろう。
「異なっているコトが当たり前の環境にいると、それぞれ尊重しながら環境を整えていくコトが求められます。チームを作ると明確で、話しながら相手を理解して、受け入れながら1つの方向にみんなで目指していくってスタイル?ですか」
挫けるコトもあっただろう。意見が衝突したらいかに乗り越えていくか。日本語が通じない環境でどう伝えていくか。20代で経験したコトは大きかったはずだ。
「コミュニケーション力、忍耐力が身に付いたと思います(笑)常連さんが多いため、ちょっとした会話をしないといけませんし、調子はどう?元気?とか、他愛もないやりとりがあってこそのカフェですから、楽しまなくちゃって」
そんなスタイルのカフェを新潟の古町で、である。
モーニング・コーヒーとともに、朝をカフェで過ごす大切さ
「シドニーは朝活が盛んな都市です。早起きして、仕事前に何かする。そういう人たちが多いので、早朝から営業しているカフェが多いです。新潟もそうですよね。朝早くから喫茶店が開いていたり、モーニングがあったり。朝だからこそ、ゆっくり過ごしたり勉強したり新聞読んだり、そういった時間って大切だと思います」
朝の過ごし方は人それぞれで、筆者にとっては朝がゴールデンタイム。冴える!よって、散歩→新聞→読書→スケジュール確認→学びの時間、というルーティンの日々で、お供は淹れたてコーヒーだ!
「コーヒーは美味しい一杯を提供したいので、お店の大きさと厨房の中での動きやすさを考えながら最適なマシーンを導入しました(笑)素晴らしいですよ、こちら。そして、コーヒー豆はFENNELスペシャルブレンドで、理想通りのコーヒーに仕上がりました。モーニング・コーヒーにいかがですか!」
コーヒーに対して考えが深いからこそプライシングは悩んだ。シドニーの経験、新潟という規模、古町というエリアで見つめたときの価格帯、朝の時間帯に利用してくれる常連さんたちの姿、これらの状況に自分を投影して、あーでもない、こーでもないと思いめぐらせた。
「コーヒーの価格はお店選びのポイントだったりします。毎朝通っていただきたいから、いつでも気軽に飲める価格帯って大切。『FENNEL』も利用しやすい価格で提供しようって決めました!」
コーヒーの種類はドリップ、カプチーノ、エスプレッソのほか、オーストラリア式のラテを含めて6種。ラテは豆乳やオーツミルクに変えられたりする。もちろん、お持ち帰りもOKだから出勤時に立ち寄ってそのままオフィスへ、なんてコトもできる!
「古町で働く皆さん、古町エリアにお住まいの地元の皆さん、淹れたての美味しいコーヒーをご用意していますよぉ〜朝活しましょう〜!」
「コレがあるから行く!」くらい美味なFENNEL式サンド
コーヒーともう一つ、気になるメニューがある。サンドだ!
「『Something for Jess café』ではいろいろなサンドイッチを提供していました。土地柄、アボガドを使うコトが多く、また、ポーチドエッグとかベーコン、スモークチキンなど、パンの上に具材が盛り盛り!という感じです。野菜もたくさん使うので見た目も映えます」
創業準備中に、何回かテストマーケティングをしたという加藤さん。反応は上々だったようだ。
「アンケートには『オーストラリア料理ってうまい』『珍しい野菜がたくさんあって驚きました』と、嬉しい声がたくさん届きました!早々に完売するコトもあって、お客さんの動きを予測する大変さも久しぶりに体感しました。ただ、調理から接客まで、すべて自分1人だけだったので…『FENNEL』がオープンしたらやっていけるのだろうか…と、不安…です」
そんなワケで!サンドの美味しい作り方をウォッチ!
1.パンを切ってサルサベルデを塗る
2.具材を盛る(野菜、ベーコン、トマト、アボガド、ポーチドエッグなど)
3.ソースをかける(オニオンソース、パプリカソース)
4.マイクロハーブをトッピングする
5.完成!
このサンド、食べ方は「エッグを崩して具材と混ぜ合わせながら食べます」とのこと。ワイルドな感じで混ぜていくと…こ、こ、これは美味い!食べていると何だか元気が出てくる!そんな気持ちになるサンドです。毎日食べたくなるけれど…中年オヤジにとって…「野菜たっぷりだからご安心を!」とのコト。よし、行くか!
「おはようございます!」朝に笑顔があれば今日も頑張れる!
2025年1月29日、新潟らしい冬景色の中、『FENNEL』はついにオープンした。準備期間は知人友人もたくさん訪れ、共に過ごしてきた時間を思い出しながら喜びの涙をした。「ようやく」なのか、「やっと」なのか、「ついに」なのかは、加藤さんとの関係性で人それぞれ。一歩踏み出す決意をしてから今に至るまで、あっという間だった。
「創業計画書を書き始めてから今日まで全速力で走ってきました。気がついたらオープン!あっという間でした。本当に準備が間に合うのか、試作はうまく行くのか、接客も大丈夫か…不安になるコトはたくさんありました。なんとかココまで…。頑張ります!」
筆者が学生の頃からの行きつけである『ラーメン内山』の隣にある『FENNEL』。私的にはどっちへ行くか…日によって、気分によって変えたりするけれど…ん〜この2店が並ぶと非常に悩むコトになる。ただ、『FENNEL』のオシャレな空間を見ると…朝は『FENNEL』で昼は『ラーメン内山』になるだろう。
ということで、気になるお店をチェック!これまたシャレた扉を開けると、そこはもう加藤さんワールド(笑)。ランプシェード、イス、テーブル、壁、厨房、ラック、木材、動線、音響設備、各種マシーンなど、至るところにセンスが感じられる。それもそのはず、設計は加藤さん自身で細部まで妥協なきデザインを表現したから。
「私の家と同じ建築会社に依頼したからなのか『家に来たみたい』って言われます(笑)」
忙しい朝に数分でもフッと自分のための時間を作ったり
コーヒーの香りで仕事モードのスイッチが入ったり
『FENNEL』から始まる一日は元気いっぱいになる
「お待ちしています!」
今日はいつもより、
ちょっと早く出かけるとするか!
加藤こゆきさん
新潟市出身。新潟市中央区のカフェでの勤務後、語学留学のためフィリピンへ。その後、シドニーに渡り、日本食レストラン『IZAKAYA MASUYA』では板前として、『Something for Jess』では料理長兼マネジャーに。帰国後、新潟市中央区のインテリアショップ『APARTMENT』にてPRやWEBを担当。2025年1月、同区古町エリアにて念願のカフェ『FENNEL』をオープンした。
FENNEL All day breakfast
新潟市中央区古町通6-953-2-3
7時30分~15時、土・日曜休、22席、駐車場なし
※営業時間などは変更になる場合あり。最新情報はInstagramを
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